他の年代と比較して「厳しい」とされる40代の転職を成功させるには、一連の展開を有利に進めるためのスキルが求められます。ここでは40代の転職の現状を検証するとともに、備えておくべきスキルや成功者の体験談などのお役立ち情報をご紹介します。
40代の転職事情
まずは世の中の現状と自身の置かれた立ち位置を把握するために、昨今の40代の転職事情を、いくつかの視点から検証してみましょう。
<h3>若年層に比べて求人は比較的少ない傾向<h3>
40代の転職希望者を募る求人情報は、20代や30代のそれらと比較した場合、業種を問わず少ない傾向が否めません。40代の志願者に対しては、年齢相応の経験値と配属を予定している部署の業務に関する、及第点以上のスキルが求められます。
対して若い世代であれば個人のポテンシャルに期待し、自社の貴重な戦力となるよう育成するスタンスでの採用が、むしろ主流であると思われます。企業側が高い専門知識や技術を有し、マネージャーや管理職足り得る、即戦力の人材を求めていることが、こうした傾向の理由であると推察されます。
転職は高年収のチャンス
「910万円」
これはとある転職斡旋サイトが公的に配信している、自サイトを介して転職を果たした40歳以上の転職後の平均年収です(※2018年6月時点)。これは同サイトが伝える、30代の転職後の平均年収820万円と比較しても、大幅に高い水準に違いありません。
この理由として、このサイトがいわゆるヘッドハンティングの仲介に特化した、独自のスタンスで運営されている点があげられます。個人として高いスキルを有する人物が、希望通りの転職を成功させれば、さらなる年収アップが大いに期待できることを物語る、注目すべきデータです。
40代の就職を成功させるコツ
先述の事例を踏まえ、続いては40代の転職で大きな武器となる経験やスキルを、具体的に検証してみましょう。
マネージャー・管理職クラスの経験値
40代の転職志願者の審査に際し、企業側が着目する重要なポイントとして、マネジメント経験の有無があげられます。この経験を持たない志願者と比較して、その採用率は圧倒的に高く、即戦力を期待する企業側として、当然の判断が積み重なった結果です。
それまでの職歴を通じ、組織やチームのリーダーを務めた経験があれば、職務経歴書に詳しく記載することで、書類審査を有利に進めましょう。面接に際しても、簡潔明瞭に言葉にすることで、コミュニケーション(会話・伝達)能力に長けていることをアピールすることも大切です。
前職で培ったスキルを活かす
転職活動を始めるに際しては、自身のスキルや経験を振り返って整理し、転職希望者としての自身の「人材という商品としての価値」を、冷静に把握しておきましょう。取得(合格)した資格に関しては、正式名称で書き出し、履歴書に誤記してしまうケアレスミスを防ぐ、細心の対策も大切です。
現在複数配信されている会員登録制の転職斡旋サイトには、自身のスキルを入力するスペースが設けられています。より多く記載されていればそれだけ、採用担当者の目に止まりやすく、初動段階でライバルに差をつける上で、大きなプラスのアドバンテージとなります。
ちなみに先述のヘッドハンティングに特化した転職斡旋サイトの場合、登録内容が魅力的と伝わればそれだけ、届くスカウト数も増加傾向を見せています。この数と面接に臨める回数は比例することからも、自身のスキルを正確にアピールすることで、より多くのチャンスを逃がさない姿勢で臨みましょう。
<h3>40歳からの転職に有利になる資格<h3>
40代の転職希望者にとって大きな武器となるとされる代表的な資格として、以下のそれぞれが見過ごせません。
・語学関連
TOEICのスコアが860点以上であれば、高評価が期待できます。語学を活かしたキャリアアップを狙う場合、このラインが企業側の評価のボーダー・ラインと思われます。実用英語検定などの各種語学検定合格も、履歴書に記載できますが、机上の学習の成果であるとの見解もあり、強力な武器となるかどうかは微妙でしょう。
・介護業界
介護福祉士は、高評価が期待される国家資格です。同業界の慢性的な人材不足、とりわけリーダー格を務められる専門的な資格・知識・実務経験を有する志願者は、採用する側にとって貴重な存在です。
・金融業界
証券アナリスト資格は、ファンドマネージャー・コンサルタント業務に就く際に、大きな武器となります。同業界に従事する人には、各企業がFP資格の取得を推奨する傾向が顕著となる昨今、採用する企業の目にワンランク上と映る、要注目の死角です。
・建設業界
管理業務主任者・ビル設備管理技能士・宅地建物取引士は、いずれも高評価の資格です。同業界への転職を希望する人にとって、年齢を問わずプラスのアドバンテージが期待される、即戦力足り得ると認められる資格です。
転職失敗リスクを防ぐ3つの注意点
40代の転職は、結果的「失敗だった」と後悔してしまうリスクと背中合わせの、より慎重に対峙すべき、人生の大きな分岐点です。年収やアップだけに固執した転職活動や、求人情報の絶対数が少ないからと焦ってしまっては、後悔先に立たず、の可能性が高まりかねません。以下のそれぞれを常に意識することで、無用なリスクを手招きしない、明るい未来につながる転職活動を実践しましょう。
転職を決断する理由の確認
内定を届けてくれた企業からの誘いに飛びつく前に、十分な深呼吸から今一度の自問自答を、時間の許す限り実践しましょう。従業員や社風と自分との相性はどうか・新たな職責にやりがいを感じられるかなど、新天地で勤務する自分自身を思い描いてみましょう。見極めるべきポイントは「融合できるか」「受け入れられるか」「覚悟はあるか」「頑張り通せるか」など、多岐に渡ります。
自身の希望条件を明確にしておくこと
何を求め。何を希望しての転職であるかを、自身の中で明確に見極めたうえで初動に移る、段階を踏んだ転職活動でなければなりません。40代という年齢と社会人経験から、現職場で勤務を続けることで、今後何が得られ、どの希望は叶わないのか、それなりに見極められるはずです。
既に転職を経験しているのであれば、メリット・デメリットは身をもって理解できていることでしょう。あらゆる視点から情報を募り・自身と家族のライフプランを視野に入れた検討を重ね、揺るがぬ結論を導き出す作業を怠ってはなりません。
転職失敗理由の確認
先述の転職斡旋サイトが2020年に実施した、転職経験者を対象としたアンケート結果は、次の通りであったと配信されています。
転職してよかったと思っている人=約90% : 転職を後悔している人=約10%
ちなみに「失敗だった」と後悔している理由として、以下それぞれの声が伝えられています。
- いざ入社してみれば、社風(人)が自分とは合わず、居づらい。
- 与えられた仕事にやりがいを感じられない。
- 採用時に聞かされていた業務内容と、配属後の実際のそれが違っていた。
「それなりの年齢の社会人としては、いささか勝手な言い分なのでは?」との意見も届きそうですが、当事者としては切実な理由でしょう。すべてを転職先に非があるとは断じて言えず、事前の十分なリサーチと検討を通じ、失敗は回避できたであろうとも考えられます。
まとめ
40代で理想の転職を成功させた多くの人たちが、今この瞬間も、自身のスキルと経験を活かし、第一線で活躍しています。それと同時に、企業は常に「人財」すなわち「自社の財産足り得る即戦力の人材」を求めています。
自身が理想と求める企業と確実に出会うことが、満足できる転職を叶え、より一層充実した毎日の先に待つ輝かしい未来への、最初の1歩です。限られた人脈や時間と労力をやみくもに費やすだけでは、理想的な情報の取りこぼしが避けられません。
確かな信用と実績を誇る転職エージェントの活用を通じ、40代の転職活動をぜひ成功させてください。
40代の転職における個別のノウハウは、
というサイトで解説されていますので、詳しく知りたい方はチェックしてみましょう。